シアトルは、現代のコーヒーカルチャーに多大な影響を与えた場所としてコーヒ好きには知られています。
今回は、そんなシアトルで生まれたシアトル系コーヒーの背景や特徴について徹底解説します。

知らずにシアトル系コーヒーを飲んでいる方も多いので、
この機会に知ってみるとよりコーヒーが楽しめると思います!
この記事のポイント
・シアトル系コーヒーとはアメリカのシアトルを中心に発展したコーヒー
・2000年台は、スタバ、タリーズ、シアトルズベストが3大シアトル派と言われていた。
・高品質な深煎り豆を使用した苦みやコクのある味わいと、豊富なドリンクレシピが特徴
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シアトル系コーヒーとは?


シアトル系コーヒーとは、アメリカ合衆国ワシントン州にあるシアトルを中心として、アメリカ西海岸から広まっていったコーヒーのこと。
日本でシアトル系コーヒーを提供するコーヒーショップでは、スターバックス(Starbucks)やタリーズコーヒー(TULLY’S COFFEE)が有名です。
シアトル系コーヒーの特徴は以下のようなものが挙げられます。
シアトル系コーヒーの特徴
・深煎りのコーヒー豆を使用した苦みやコクのある味わい
・ミルクやキャラメルなどを使用した、多彩なアレンジドリンク
・おしゃれなロゴをあしらった持ち歩けるコーヒーカップ
コーヒーの歴史


世界中の人々に愛されるコーヒーですが、そんなコーヒーにもこれまでにいくつかのトレンドがあったのをご存じでしょうか?
シアトル系コーヒーをより理解するためには、以下でまとめた3つのコーヒートレンドを知る必要があり、シアトル系コーヒーは2番目のセカンドウェーブで生まれたコーヒーです。
ファーストウェーブ(第一波)
19世紀ごろ、コーヒーは大量生産、大量消費の時代でした。
短時間で大量にコーヒー豆を焙煎できる焙煎機の開発、流通網の発達といったことが背景にあり、オフィスや一般家庭にまで幅広くコーヒーが普及していきました、
この頃から、インスタントコーヒーや缶コーヒーも生まれ、多くの人々にコーヒーが親しまれるようになります。
しかし、品質は重要視されていませんでした。紅茶に似せたようなスッキリした味わいが好まれ、深煎りと比べて原価が安く済む浅煎りのコーヒーが主流でした。
ファーストウェーブコーヒーの特徴
・大量生産、大量消費により、品質はあまり重要でなかった
・浅煎りのスッキリしたコーヒーが主流でインスタントコーヒーなども楽しまれた
セカンドウェーブ(第二波)
1960年ごろから、コーヒーの量ではなく質にもこだわるような流れが生まれます。
そんな中、ここで皆さんご存じのスターバックス(Starbucks)等のコーヒーチェーンが台頭。1971年にスタバが創業し、スタバを筆頭にシアトル系コーヒーが広まっていくこととなります。
イタリアでは定番のBAR(バール)というエスプレッソを楽しむカフェの影響を受け、温かみのある内装やフレンドリーで親しみやすい接客といった店舗運営もシアトル系が人気となった一つの要因です。
より高い品質のコーヒー豆を深煎りにし、ドリップ等で抽出したものが楽しまれていました。この頃になるとエスプレッソマシンも店舗に普及し、抽出したエスプレッソで、アメリカーノ、カフェラテだけにとどまらず、キャラメルやチョコレートソースを使用したスイーツのようなアレンジドリンクなど、多彩なドリンクレシピが生まれます。
また、街ではおしゃれなロゴのついたコーヒーカップを持ち歩いていることが一種のステータスのようにもなるなど、ファッションアイコンにもなりました。
セカンドウェーブコーヒーの特徴
・高品質なコーヒー豆を深煎りにした苦みやコクのある味わい
・エスプレッソを使用した多彩なドリンクレシピやおしゃれなロゴ
サードウェーブ(第三波)
2000年代に入ると、ファーストウェーブともセカンドウェーブとも違った流れがアメリカで生まれます。
コーヒーの味だけでなく、農作物としてのコーヒー豆の生産から1杯のコーヒーの提供までの道のりが明確であること、すなわちトレーサビリティ(追跡可能性)や、サスティナビリティ(持続可能性)も重要視されるようになりました。コーヒーを消費するだけではなく、生産者に対して正当な報酬が払われるような試みや、コーヒーの価値を守るような動きも生まれます。
上記のような背景から、コーヒー豆そのものの味わいがより楽しめる浅煎りのコーヒーが好まれるようになります。
また、それまでコーヒー豆は数種類の豆を混ぜたブレンドや、生産国という単位で括ったものがほとんどでしたが、シングルオリジン(単一の農園、品種、精製方法等で括られたコーヒー豆)であることもより重視されるようになります。
日本でも有名なコーヒーチェーンでは、2002年にアメリカで創業したブルーボトルコーヒー(BLUE BOTTLE COFFEE)などが挙げられます。
サードウェーブコーヒーの特徴
・さらに高品質な豆を使用し、農園や品種の特徴も楽しめる浅煎りのフルーティな酸味のあるコーヒー
・トレーサビリティやサスティナビリティを重視し、作り手やコーヒーに関わる全体の価値を追求
3大シアトル派とは
長いコーヒーの歴史の中で、シアトル系コーヒーがセカンドウェーブで生まれたことがわかりました。
以下ではシアトル系コーヒーを牽引し、2000年代に3大シアトル派とも呼ばれたコーヒーチェーンを紹介します。
スターバックス(Starbucks)


シアトル系コーヒーを牽引した代表的な企業。
全世界約80カ国で38,000店舗以上を出店している大企業で、日本では約1,986店舗が存在します(2025年現在)。
ほとんどの店舗を直営し、一部ライセンス経営はあるもののフランチャイズ経営をしていません。
全世界どの店舗でも温かみのある木目調でおしゃれな内装で居心地が良く、これは自社デザイナーを起用している点も大きいと言えます。
タリーズコーヒー(TULLY’S COFFEE)
タリーズも1992年にシアトルで生まれたシアトル系を代表する企業。
アメリカ本国のタリーズは倒産し、現在のタリーズは日本でライセンスを買い取った日本法人が運営しています。
日本全国で約800店舗が出店されております(2025年現在)
シアトル系は海外で焙煎されたコーヒー豆を輸入するのが一般的でしたが、タリーズでは高性能な焙煎機を活用し、日本国内で焙煎を行っているのが特徴です。
シアトルズベストコーヒー(Seattle’s )


1968年でシアトルで創業したシアトルズベストコーヒー。
2003年にスターバックスに北米事業を買収されており、日本では複数企業のフランチャイズ運営となっています。
スムースでまろやかな味わいを引き出す焙煎が特徴的で、日本全国で約60店舗が運営されています(2025年現在)。
ネットで買えるおすすめのシアトル系コーヒー


シアトル系コーヒーがどういったものなのか理解いただけたと思うので、
ここからはシアトル系コーヒーのおすすめをコーヒー豆、粉、インスタントコーヒーに分けて紹介していきます。
どれも癖になる苦みやコクのあるコーヒーがお好きな方にはマッチすると思いますので、ご自身の普段の入れ方に合うものをチョイスしてみてください。
豆
粉
インスタントコーヒー
まとめ


シアトル系コーヒーは、それまでのコーヒー提供スタイルを超えて、現代のカフェ文化の基礎を築き上げました。
コーヒーの品質へのこだわり、豊富なアレンジレシピ、魅力的なフードメニュー、おしゃれなロゴや内観など、その影響は今でも世界中のカフェシーンに見ることができます。
今まで自分が飲んでいたものがシアトル系コーヒーだと気づかずに飲んでいた方も多いと思います。
この機会に、お気に入りのシアトル系コーヒーを見つけてみてはいかがでしょうか?
この記事がコーヒー好きの皆様のお役に少しでも立てましたら幸いです。
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