世界的なコーヒー生産大国であるインドネシア。独特な風味で知られるインドネシアのコーヒーは、世界中のコーヒー愛好家を魅了し続けています。
この記事では、そんなインドネシア産のコーヒーについて徹底解説していきます。

独特な風味があるため、好きな人は本当にハマるコーヒーです
この記事のポイント
・野性的でスパイシーな独特の風味が特徴
・マンデリンやトラジャという銘柄が有名
・ジャコウネコの糞からとれる高級コーヒーのコピルアクも生産
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インドネシア産コーヒーの概要と歴史


主要な栽培種、標高、収穫時期
- 栽培種:アラビカ種、カネフォラ種
- 標高:900~2,000m
- 収穫時期:メインは10~6月、その他の月も都度
インドネシア(インドネシア共和国)は、東南アジア南部に位置する国。
人口約2億7,000万人が暮らしており、数多くの島によって構成される世界最大の群島国家です。
世界3~4位を推移するコーヒー生産大国のインドネシアですが、コーヒー豆のさび病により大きな影響を受けました。
アラビカ種からカネフォラ種へ植え替えが行われ、現在はアラビカ種10%、カネフォラ種90%で生産。
1万を超える島があるものの、コーヒー豆の生産はスマトラ島がインドネシア全体生産量の7割を占めており、スマトラ島で栽培されたアラビカ種はマンデリンと呼ばれています。
これは先住民のマンデリン族や地名にちなんで名づけられました。
その他、ジャコウネコの糞からとれる高級コーヒー、コピルアクも有名になりました。
コーヒーがインドネシアに伝わった経緯と現在
インドネシアのコーヒーの歴史は、17世紀、植民地時代にオランダによってジャワ島に苗木が持ち込まれたことから始まります。栽培が進み、世界市場での認知が進んでいきました。
しかし、19世紀後半にコーヒーのさび病が発生。大打撃を受け、栽培地の開拓や高地でのアラビカ種栽培を行いつつも、アラビカ種からカネフォラ種への植え替えを余儀なくされました。
20世紀に入り国家として独立後は、小規模農家による生産も増加。伝統的な精製方法を継承しつつ、現在までコーヒーの品質向上や管理制度の確立がなされています。
インドネシア産コーヒーの特徴


風味について
インドネシア産コーヒーの*一般的な特徴は以下の通りです。
- 野性的(アーシー)でスパイシーな風味
- 豊かなコク
- 控えな酸味
中煎り~深煎りの焙煎度に適しており、シングルオリジンからブレンドまで広く使われています。
*あくまで一般的な特徴です。生産地域や農園によってその国の一般的な特徴とは大きく異なる風味を持ったものも存在します。
等級(グレード)の見方
インドネシアのコーヒー輸出等級は、主に「300g中の欠点豆の数(虫食いやカビといった品質の悪い豆)」によって決定されており、欠点豆の数が少ないほど等級が高く風味も良くなります。
下記表に基づいてグレード分けされています。
名称 | 欠点豆の数 |
---|---|
G-1 | 0~11 |
G-2 | 12~25 |
G-3 | 26~45 |
G-4 | 46~80 |
G-5 | 81~150 |
この中でも*スペシャルティコーヒーとして流通するのは、G-1が多いです。
その他、以下のような基準が品質管理の基準にもなっています。
- スクリーンサイズ(豆の大きさ)
- 異臭の有無
- 虫や異物の混入
- 色の均一性
- 水分含有率
- クリーンカップ(雑味がなくクリアであること)
代表的な品種について
インドネシアで栽培される主要なコーヒーの品種は以下のようなものが挙げられます。
- カネフォラ種(ロブスタ種):病害虫に強く、収穫率も良い。強い苦みで酸味は弱く、インスタントや缶コーヒーに利用。
- カティモール品種:アラビカ種とカネフォラ種の交配品種で、病害虫に強く、収穫率も良い。比較的苦みがあり酸味は少ない。
- ティピカ品種(在来系アラビカ種):最も古い品種の一つ。インドネシア産は特有の柑橘系の酸味、芝、スパイス、ハーブといった複雑な風味が特徴。
栽培・精製方法の特徴
インドネシアでは、主に以下の精製方法が採用されています。
- ウェットハル(スマトラ式):インドネシアで伝統的に行われている半水洗式の方法。雨がたくさん降るため、豆の状態でなるべく早く乾燥させる方法をとっています。これにより、インドネシア特有の風味につながっています。
精製方法って何?という方はこちらの記事もオススメ
→コーヒー精製方法の完全ガイド|味の違いは?


主要な生産地域


ジャワ島
首都ジャカルタがある、スマトラ島とバリ島の間に位置する島。火山が点在しており、火山灰土壌での栽培になります。さび病の影響により、カネフォラ種や改良された品種が多い地域でもあります。
この地域のコーヒーには以下のような特徴が挙げられます。
- しっかりとした苦み
- 控えめな酸味
- ほどよいコクと香ばしい香り
スマトラ島
インドネシアで生産されるコーヒーの約70%を占めるスマトラ島。
北部にあるリントン地区とアチェ地区が主な生産地区で、マンデリンが有名です。
この地域のコーヒーには以下のような特徴が挙げられます。
- 明確な苦みと柑橘系の酸味
- 森や芝のような香り
- ハーブ、スパイス、野性的な香り
スラウェシ島
スラウェシ島といえば、トラジャ地方の銘柄であるトラジャが有名。
この地域のコーヒーには以下のような特徴が挙げられます。
- 控えめな酸味
- しっかりとした苦みとコク
- フルーティーな甘み
バリ島
アラビカ種が栽培されており、精製方法ではウォッシュトも採用されている珍しい地域。
この地域のコーヒーには以下のような特徴が挙げられます。
- 穏やかな酸味
- ほどよいコク
- 優しいバランス
おすすめの楽しみ方


最適な抽出温度と時間
基本の抽出レシピを以下にまとめました。
- 抽出温度:88-92℃
- 抽出時間:ドリップの場合2-3分が目安。甘みとコクを重視する場合は、やや低めの温度で3分程度かけじっくり抽出がおすすめ。逆にさっぱりとしたコーヒーが飲みたい時は、やや高めの温度で比較的早めの2分程度で抽出を終えることをおすすめします。
また、美味しいコーヒーの淹れ方の完全版はこちらの記事でまとめています。
知っていると、簡単に味の違いも知りやすくなる入れ方も解説。
→美味しいコーヒーの入れ方完全ガイド|おすすめは?


ブレンドのベース豆としての活用法
インドネシアのコーヒーは、アラビカ種かカネフォラ種によっても異なりますが、ブレンドにも重宝されています。そのため、他のシングルオリジンの豆と混ぜて楽しむこともおすすめです。
初心者の方は、インドネシアの豆40~60%に対して、その他の豆を1~2種類混ぜてブレンドしてみてください。インドネシア単体で飲むのとはまた違った楽しみがみつかると思います。
おすすめの保存方法
- 密閉容器での保管
- 直射日光を避ける
- 冷暗所での保存
- 適度な温度と湿度(25℃以下、60%以下)
購入時のポイント


豆の選び方のコツ
- 生産地域の確認:目的の味わいに合った地域を選択しましょう。
- 収穫年の確認:新しい豆ほど風味が良いです。
- 焙煎度合い:中深煎り~深煎りが一般的に相性が良いです。
- 等級:G1~G2であれば安定した品質が期待できます。
迷ったときのおすすめ
インドネシアのコーヒーに興味が湧いたけどどれを買ったらいいかわからない方も多いと思います。
迷った際は、まずは下記から試してみてください。初心者の方にもオススメです。
豆のまま


粉


インスタント
まとめ


独特な精製方法による唯一無二の風味を持つインドネシア産コーヒー。その確かな品質と魅力的な味わいは、世界中のコーヒー愛好家に認められ続けています。
ぜひ、あなたも自分好みのインドネシアコーヒーを見つけてみてはいかがでしょうか。
少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
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