コーヒーは私たちの日常に欠かせない飲み物ですが、その抽出方法によって味わいは大きく変わってきます。
今回はそんなコーヒーの抽出方法について徹底解説していきます。

一番おすすめの方法も紹介しますが、
本当に知らないと損なのでぜひ見てみてください!
この記事のポイント
・コーヒーの抽出方法は透過法、浸漬法、エスプレッソの3つに大別される。
・一番のおすすめは栓付きのドリッパーを使用した浸漬法
・おすすめの方法であれば簡単に美味しく安定した味のコーヒーを入れられる
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コーヒー抽出の歴史


コーヒーの抽出方法は長い時間をかけて現在の形になっています。
コーヒー抽出の歴史の始まりは17世紀ごろ。当時、コーヒーの抽出にはトルコではイブリックという抽出器具や、サウジアラビアではダラーといった抽出器具を用いていました。コーヒーの粉を煮出して、粉が沈んだ後の上澄みを飲むのが一般的で、この方法は現在でもつかわれています。
19世紀ごろにはフランスやイギリスで、コーヒーを美味しく入れるための試行錯誤がされます。これにより、現在の主要な抽出方法の原型が生まれることになりました。
20世紀に入ると、パーコレーター、サイフォン、エスプレッソメーカー、マキネッタ、フレンチプレスといった、現在でもある様々な抽出器具が生まれ、抽出方法は多様化していきます。
コーヒーの抽出とは?


コーヒーの抽出とは、お湯や水を使ってコーヒーの粉からコーヒーの成分を溶かすこと。
美味しいコーヒーを入れるためには、自分の好みに合う抽出のポイントを押さえることが重要です。
コーヒーの風味を決める抽出のポイント
- コーヒーの粉の量(多いほど濃くなります)
- コーヒーの粉の細かさ、粒度(細かいほど濃くなります)
- 水、お湯の温度(温度が高いほど濃くなります)
- 抽出にかかる時間(長くなるほど濃くなります)
- 抽出する量(出来上がるコーヒーの量が少ないほど濃くなります)
コーヒーから抽出される成分は?
実は、コーヒーの抽出液のうち、*98.6%は水です(*引用:食品成分データベース様)。
その他の溶けている物質は1.4%しかなく、ちなみに皆さんご存じのカフェインは約0.06%ほどしか抽出されません。
抽出されなかった不溶性食物繊維、脂質といった成分はコーヒーかすに残ることになりますが、この残る成分があるため、コーヒーかすは様々な用途で二次利用されます。
具体的な用途としては下記の通りです。
抽出液に使う水は?
上記の通り、コーヒーの抽出液はほぼ水です。
そのため、美味しいコーヒーを入れたい場合は水にこだわることも非常に重要になってきます。
実際に筆者も、同じコーヒー豆を水質の違う水で飲み比べたことがありますが、驚くほど味が変わります。
コーヒーの場合は、一般的に硬度の低い軟水(ミネラル等の含有量が低い)で抽出するのがおすすめ。コーヒーにとって重要な成分がしっかり抽出されるためです。逆に硬水はコーヒーの味が出にくいとされています。



水道水より、浄水器などでしっかり不純物を除去した方が、
美味しいコーヒーが入れられます。
コスパも高くておすすめの浄水器→ ブリタ 浄水器 ポット型
コスパ最高、コーヒー好きにおすすめのウォーターサーバー
浄水器を使用せず、ウォーターサーバーを活用することもおすすめ。不純物がしっかり除去された水のため、コーヒーの成分がしっかり抽出された美味しいコーヒーが楽しめます。
最近はコーヒーを入れられるウォーターサーバーも出てきているので、ぜひチェックしてみてください。
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主なコーヒー抽出方法3選
それでは、コーヒーの主要な抽出方法を3つご紹介します。
基本的な抽出方法はすべてこの3つ方法のどれかに分類されます。
透過法(とうかほう)


別名、ドリップ式とも呼ばれており、海外ではプアオーバーと呼ばれています。
ろ紙を用いたペーパードリップをご存じの方が多いと思いますが、ネルドリップや金属フィルターでのドリップも透過法になります。
日本では特に伝統的に喫茶店などで行われてきた方法のため、日本人に最もなじみのある方法とも言えます。
基本的な抽出レシピ
- 方法 :ペーパードリップでの抽出
- コーヒーの粉の量:一杯約150mlあたり12~15gの豆を使用、二人分は20~25gを使用
- お湯の温度 :85~95℃(浅煎りは高め、深煎りは低めの温度がおすすめ)
- 粉の細かさ :細~中挽き(粗すぎると成分がしっかり抽出されません)
- 抽出時間 :2分半~3分(少しお湯をかけて30秒程蒸らしたら2~3回に分けて注湯)
透過法のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
粉を捨てやすい(特にペーパードリップ) 好みに応じて味をコントロールできる 器具を洗う手間が少ない | 入れ方を習得するまでが難しい 必要な道具が多い 初心者は特に味が安定しづらい |
おすすめのドリッパー
透過法で最もオーソドックスなドリップで使用する、おすすめのドリッパーを下記にまとめました。
商品 | 特徴 | 価格 | 購入先 |
---|---|---|---|
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![]() ![]() Kalita カリタ ウェーブドリッパー | ウェーブ構造でお湯が均等になじむ 可愛いデザイン 素早いお湯落ちですっきりした味わい 専用ろ紙が必要 | 2,310円 | Amazon楽天 |
![]() ![]() cores コレス コーヒードリッパー | ペーパーフィルターが不要でコスパ◎ 金製のため衛生的 コーヒー油分も落ちるためまろやかに 価格は高め 使用後にコーヒー豆を捨てるのは面倒 | 3,300円 | Amazon楽天 |
浸漬法(しんしほう)


浸漬法は、粉をすべてお湯に浸した状態で抽出する方法。
フレンチプレス、サイフォンといった抽出器具が一般的です。
フレンチプレスは紅茶用として広く使われていましたが、徐々にコーヒー用としても普及していきました。
ペーパードリップ等と比較すると、コーヒーのオイルが抽出液にしっかり含まれるためとてもまろやかでボディ感のある味わいになります。ただし、コーヒーの非常に細かい粉(微粉)が金属フィルターをすり抜けるため、濁ったような液体となり、粉っぽさが苦手な人には向いていない場合もあります。
基本的な抽出レシピ
- 方法 :フレンチプレスでの抽出
- コーヒーの粉の量:一杯約150mlあたり12~15gの豆を使用、二人分は20~25gを使用
- お湯の温度 :90~95℃(浅煎りは高め、深煎りは低めの温度がおすすめ)
- 粉の細かさ :中~粗挽き(細かすぎると金属フィルター目詰まりの原因に)
- 抽出時間 :3分半~4分(少しお湯をかけて30秒程蒸らしたら残りを注湯)
浸漬法のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
お湯を注ぐだけなので簡単(フレンチプレスの場合) コーヒーオイルを含むまろやかな味わい 複数人分のコーヒーを入れる際も安定している | 微粉により粉っぽさがある 入れ終わった後の器具の掃除、粉捨てが面倒 味の調整幅が比較的狭い(フレンチプレスの場合) |
おすすめのフレンチプレス
浸漬法で最もオーソドックスなフレンチプレスで、おすすめを下記にまとめました。
商品 | 特徴 | 価格 | 購入先 |
---|---|---|---|
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エスプレッソ


マシンを使用し、圧力をかけることで抽出されるのがエスプレッソ。皆さんが普段飲んでいるコーヒーを、とても濃くしたものといったら味が想像しやすいでしょうか。
イタリアが本場で、現地では小さいカップ(デミタスカップ)に抽出したエスプレッソへ、粉砂糖を入れてグイっと楽しむのが伝統。
非常に素早く抽出が可能なため、一日に何百杯も提供するようなカフェでは理にかなった方法です。そのため、ドリップが伝統的に行われてきた日本とは異なり、世界ではエスプレッソマシンを採用しているコーヒーショップがとても多いのが特徴。現在では、フランス、アメリカ、北欧など世界中で広く採用されています。
基本的な抽出レシピ
- 方法 :エスプレッソマシンでの抽出
- コーヒーの粉の量:ホルダーに入る量の粉(ダンパーで押し固めフィルターをセット)
- お湯の温度 :マシンの設定
- 粉の細かさ :極細挽き(粗いとしっかり圧がかかりません)
- 抽出時間 :数十秒(マシンにより異なる)
エスプレッソマシンのメリット、デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
素早く抽出が可能 ドリップでは抽出できない成分の風味がある フォームミルクと合わせたレシピが多彩 | マシンの値段が高い 初心者にはハードルが高い(手動の場合) マシンのメンテナンスが面倒 |
おすすめのエスプレッソマシン
イタリアの家庭には一家に一台はあるといわれるマキネッタ(モカエキスプレス)は、安価で初心者にも簡単にエスプレッソを入れられるのでおすすめ。大きなマシンと比べるとかかる圧は弱いですが、エスプレッソを気軽に楽しむことができます。
商品 | 特徴 | 価格 | 購入先 |
---|---|---|---|
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絶対に知っておいた方が良い最もおすすめの抽出方法は?


これまで様々な抽出方法をご紹介しましたが、筆者がもっともおすすめしたい方法があります。
それは、ハリオスイッチという抽出器具を使用した浸漬法で入れる抽出方法。
ひとことで表すと、コーヒーを誰でも簡単に美味しく楽に安定して入れられる方法です。
ハリオスイッチはペーパーとセットで下記から購入可能です。


ハリオスイッチの基本的な抽出レシピ
- コーヒーの粉の量:一杯約150mlあたり12~15gの豆を使用、二人分は20~25gを使用
- お湯の温度 :95℃前後
- 粉の細かさ :細~中挽き(粗すぎると成分がしっかり抽出されません)
- 抽出時間 :2分程度



この方法を知っていると失敗せずに安定して入れられるので、
コーヒー豆の味の違い等も判別しやすくなります
コーヒーの生産国、精製方法、品種といったように、コーヒーの味わいを決める要因は複数あります。
これらの味の違いを理解するためにも、この方法は非常におすすめです。
ハリオスイッチ以外のドリッパーや、あると便利なもの
ハリオスイッチが出る前からあったクレバードリッパーも、ハリオスイッチと同様に入れられます。
こちらは蓋つきなので、抽出中の保温性は高いのが特徴。


下記のようなスケールがあると、粉の重さや抽出したコーヒーの量が確実にわかるので便利。
数値ではっきりわかっている方が安定した味を追求できるので、一台はもっておくのをおすすめします。


抽出したコーヒーが美味しくないとき試してほしい裏技
出来上がったコーヒーの味が思ったより苦かったり、酸味が強かったりして微妙だなーというときはないでしょうか?
実は、コーヒーが入れ終わってから味を調整する裏技があります。
それは、コーヒーを少量のお湯で薄めるという方法です。
えー、そんな方法かよ、とか、邪道だという意見もあるかもしれませんが、
このコーヒーをお湯で薄めるという入れ方は、目的は若干異なるもののバリスタの大会などでも使われる手法です。
プロの大会の場合は、なるべく濃く良い成分だけ抽出ものを、お湯で薄めて適切な濃さにする使い方が多いです。
しかし、初心者の場合はまだコーヒーの味に舌が慣れていなかったり、抽出過程で雑味もかなり入ってしまったりして苦味や酸味が強くなってしまう傾向があると思います。
そんな時にも、お湯で薄めるという方法は有効です。
抽出が成功していても、成功したのか失敗したのかわからず、単純にコーヒーの味が強すぎるだけの場合があります。
ぜひこの方法も試してみてください。
まとめ


まずはおすすめのハリオスイッチを使用した抽出方法を実践してみてください。
そうすれば、抽出が成功した時の味がわかるようになるので、その他の抽出方法もマスターも早いです。
上に挙げた基本的な抽出方法をマスターしたら、そこから自分好みにアレンジしていくことを試してみましょう。
皆さんが自分の好みのコーヒーを確実に入れるために、少しでもお役に立てれば幸いです。
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